経験者に聞く!①クリニックの受付業務:1日の流れやお仕事のやりがいをご紹介

経験者に聞く!①クリニックの受付業務:1日の流れやお仕事のやりがいをご紹介

クリニック・病院の受付は、幅広い年代の方が活躍しているお仕事。「医療事務」とも呼ばれ、資格もありますが、資格なし・未経験でも働ける求人もたくさんあります。そんなクリニック受付のお仕事の内容と、大変な点ややりがいを、経験者の方のエピソードも交えてご紹介します。


クリニック受付の主な仕事


①受付業務

病院を訪れる患者さんから、保険証や診察券をお預かりします。初診の方には問診票の記入をしてもらい、診察券の発行を行ったり、医事コンピュータに患者さんの情報を入力してカルテを作成したりもします。


②会計

診察の終わった患者さんのお会計を行います。その日の診療内容を医事コンピュータに入力することで、お支払い金額が自動計算されます。お会計の時に領収書と明細、お薬がある場合は処方箋も一緒にお渡しし、必要に応じて薬局の場所や、次回の診療の予約などのご案内をします。


③診療報酬請求

保険が適用される医院・クリニックでは、患者さんが支払った金額以外の部分を、医療保険の保険者に請求する必要があります。そのための明細作成は「レセプト業務」と呼ばれる、クリニックならではのお仕事。1ヶ月分を翌月10日までに請求する決まりとなっているので、月初には書類提出のためのチェックのお仕事があるクリニックもあります。


保険証の確認やレセプト業務など専門的な内容も多くあり、ひとつひとつ丁寧にミスなく処理する能力が求められます。


未経験からでも大丈夫?


専門知識が多く必要そうなクリニック受付。果たして未経験でも大丈夫?


「私も未経験から、家の近くのクリニックにアルバイトとして入りました。最初は保険証の種類や病名など、わからないこともたくさんありましたが、日々の業務を実践しながら覚えていくことができました」


と教えてくれたのは、消化器内科の受付に勤務して1年2ヶ月という、主婦のYさん。医療関係の知識がゼロからのスタートでしたが、週2〜3回の出勤で、今ではスムーズに受付をこなせるようになったそうです。


「病院によって体制は異なるようですが、私の勤めているクリニックには医療事務の資格を持っている受付専任の先輩がおり、保険証の種類や気をつけてチェックすべき項目などを丁寧に教えてくれました。」



クリニック受付の良いところ、大変なところ


「クリニック受付は立ち仕事や力仕事が少なく、室内での勤務になるので、年齢を重ねてからでも体力的に無理なく働ける仕事だと思います。また医療事務は、実務経験をもとに資格にもチャレンジしやすいお仕事。資格を取れば、より高待遇の医院や大きな病院の受付などにキャリアアップの道もあり、若い人にも将来性のある環境だと感じています」(Yさん)


専門性の高いお仕事なだけに、一度引っ越しや結婚・出産などで環境が変わっても、経験や資格を活かしやすい職種でもあります。

一方、医院の受付ならではの苦労も。


「定期的に通院されている患者さんが多いので、カルテを見て治療中の病名を把握したり、何の定期検査でいらっしゃったのかを判断するのも大切な仕事。

『今日は定期検査のはず』と患者さんご自身がおっしゃっていても、すでに検査が終わっていたり、逆に採血の予定を忘れてしまっていたり…ということも結構あるので注意が必要です。その中で聞きなれない病名やお薬の名前も覚えないといけないのが大変でしたね」


しっかり受付係がカルテを見て、診療内容を患者さんにお伝えしたり、医師に連携することも大切な仕事。またYさんは、病院ならではの患者さんとのコミュニケーションに驚いたと言います。


「わかりやすいところだと、お店であれば『いらっしゃいませ・またお越しくださいませ』とご挨拶しますが、病院では『こんにちは・お大事にどうぞ』ですよね。

以前通院されているご高齢の患者さんが荷物を持っていたので、代わりに持ってあげたことがあったのですが、先輩から『そういうことはしなくていいんだよ』と注意をされたことがありました。

病院は、その人が自立して健康な生活が送れるよう、治療を通して手助けをする場所。せっかく病院まで自分ひとりで来られたのだから、もし足取りがしっかりしているのならば見守って、本当に必要な時にお声かけするのが病院での対応だと教わりました」


患者さんへの対応には医院ごとの方針がありますが、患者さんは商業施設などの「お客様」とは似て非なるもの。サービス業の接客対応とは少し違うところがあるのも特徴かもしれません。


クリニック受付:1日の流れ

場所により異なりますが、医院やクリニックはお昼の時間帯を挟んで、診療時間が分かれているところも多いです。午前中の診療のみ、など短時間のシフトで募集されているケースもあるので、家事や子育てがある方も比較的働きやすい職種といえます。


診療時間のスタートによっては、少し出勤時間が早めのケースも。今回は一例として、Yさんの勤務パターンをご紹介します。


7:30 
一番早く行き、クリニックの鍵開けをします。郵便物を取ったり、室内の換気をします。
院内には、検査やカルテの記入用、受付用などPCが多数あるので、スムーズに使えるよう電源を入れてソフトを立ち上げておきます。
その後院内の掃除をして、患者さんをお迎えする準備をします。

8:30
消化器内科のYさんのクリニックでは、内視鏡などの検査予約をしている患者さんが早めの時間から来院。診察券や保険証をお預かりしながら、予約内容の確認をし、検査や診察にお通しします。

9:00
一般外来の受付が始まります。患者さんには感染症対策として、受付で検温・消毒のお声かけもします。

10:00
受付が落ち着き、待合室が少し空いてきたら掃除や消毒作業をします。感染症対策として、換気や待合室の椅子の清掃を定期的に行います。

11:30
感染症の流行により、発熱外来も受け付けているクリニックも。その場合は一般外来を早めに閉めて、事前に電話で予約をいただいていた方を順番にご案内します。ご案内前後では簡易的な防護服を着用したり、診察終了後は院内を再度消毒したりと、衛生面も配慮しながら立ち回ります。

13:00
午前中の診療が終わると昼休みに。主婦のYさんは午前のシフトのみのため、ここで退勤するそうです。午後の勤務もある場合は、昼休み終了後、再び受付業務に戻ります。



幅広い年齢の方が活躍しやすく、将来にも活かしやすい医院・クリニックの受付のお仕事。ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?